北陸新幹線に乗って

外来看護師は、往診部門でも活躍しています。寝たきりで通院困難な方や癌ターミナルの方などを自宅で診察しています。点滴や気管切開、がんの終末期で全身の体力も低下しほぼ寝たきり状態の往診患者さんがおられました。
その患者さんの娘さんとの面談時「北陸新幹線が自宅の近くを通るのですが、父が”静かだな、乗ってみたかったな。”と言っていた。」と聞き、なんとか実現したいと思いました。医師とも相談し、計画をたてていきました。
患者さんのがんによるつらい症状は投薬によって落ち着いていました。また医師も車いすでの乗車が可能かJRに問い合わせてくれました。駅員さんの配置や時間・体調管理などを調節して当日を迎えました。
あいにく当日は曇り空でしたが、患者さんは自宅近くの景色を乗り出すようにみつめ、その景色を焼き付けておられるようでした。駅では買い物をし、満足そうな顔をしておられました。
往診部では、終末期の患者さんを自宅療養で支える機会が増えています。患者さんとご家族が満足できる終末期を迎えられるように丁寧に接していきたいです。

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