入院されて4年になる透析の入院患者さま。
唯一の身よりだった娘さんが亡くなり、帰る場所がなくなってしまいました。
「3年前に納骨へ行ったきりの娘の墓参りがしたい。」
そう希望され、医師、看護師、リハビリスタッフで協力し体調を整え、お墓参りへの外出をしました。
墓地についてみると、通路は車椅子の幅ギリギリで、段差も多く墓前にたどり着くまでがとても大変でした。
たどり着いたお墓は、雑草でいっぱいでとてもお参りできる状態ではありませんでした。
スタッフで雑草をできるだけ排除し、墓前にお花と線香を手向けました。
普段からあまり感情を表に出されない患者さまでしたが、この時は、ほっと安心されたような優しい笑顔が見られました。
このお墓参りが、患者さまにとって最期の外出となってしまいましたが、今でもあの時の笑顔は忘れられません。