学術・交流集会で発表してきました

10月13日14日に金沢市文化ホールで行われた第16回全日本民医連学術・交流集会に参加してきました。

記念公演は富山県出身の社会学者の上野千鶴子先生でした。現在の高齢者の変化や、地域の看取りの課題まで痛快なトークとともに話され、あっというまに時間が経ってしまいました。病院か在宅かと看取りの場は二元論では語れませんが、当院の在宅でも上野先生の考え方を参考に、高齢者の気持ちをしっかりくみ取った医療提供をしていきたいと思いました。

1日目のポスターセッションでは協立病院からは三演題の発表を行いました。職場づくりのブロックでは「入職2年目研修における体験入院から得られる学び」を発表しました。語りから抽出した学びを発表した場面では、フロアからは共感や関心を示す反応が多くありました。体験入院を実施している事業所は少なく、協立病院の誇れる取り組みだと再認識しました。医療と介護の質の向上のブロックでは「疼痛に対して行った鎮静に対する倫理的考察」を発表しました。激しい疼痛に対する医療的処置は、他の病院でも対応に苦慮することがあるという意見や、患者家族への説明に対する質問がありました。まちづくりブロックでは「高齢者施設の種別による看取り率の違い」について発表しました。午前中の上野先生の講演の内容とリンクする部分もあり、地域での看取りに重要な役割を担う施設看取りに関して、同じ調査を全国で行ってもよいのではないかと意見がありました。

2日目はテーマ別のセッションが3つ開催されました。LGBTQの取り組みのセッションでは、全国の病院、診療所での取り組みと、その重要性や効果が報告されました。「LGBTQ」という性的マイノリティ当事者を指す言葉ではなく、「SOGI(ソギ・ソジ)」という「性的思考と性自認」というあらゆる人を含む概念が、人権の観点からも注目されています。ダイバーシティ委員会やSOGIコミュニティなどいろんな名称はありますが、目指す方向性は同じです。すべての人が安心して暮らせる地域にするため、何からどうやって取り組むべきか、全国からの報告を聞いて方向性が見えてきたように思いました。

大きな学びを得た2日間でした。

2日間で得た学びを今後の医療提供や新棟での病院づくりに生かしたいと思います。

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