働き始めて間もなく、その日の受け持ちだった患者さまが亡くなり
先輩看護師とともにエンゼルケアの処置に入らせていただく機会がありました。
私の人生で初めて目の当たりにするご遺体であったので、部屋に入る前は緊張と恐怖感がありました。
しかし、実際に対面すると「つい昨日まで挨拶していたのに・・・」と何ともいえない気持ちになり、
恐怖感はなくなりました。先輩看護師と一緒に、普段と変わらない声かけをしながら清拭を行いました。
少し開いている目に生気が無いこと、軽く、冷たく感じる体に改めて「死」を感じさせられました。
頭髪を整え、浴衣を着せ、ご家族と面会できるようベッド周囲の整理をしました。
ご家族の方は涙を流しながら、患者さまのお顔をしっかり見つめ、お別れの時間を過ごしていました。
ご家族の姿を見ていると、ケアを行っている時には感じなかった、悲しさや寂しさが一気に湧いてきました。
看取りとエンゼルケアは、患者さまとご家族にとってとても大切な時間です。
その時をよい時間にできるような看護を行っていきたいと強く感じた経験でした。