所属:透析室
私は、奨学金を受けながら看護学校に通い看護師の資格を取りました。学生の頃から透析室の助手業務に就いて勤務をしてきました。卒業後もそのまま透析室で働けることになり、始めは臨床経験がなく、こんな私が透析室で務まるか不安もいっぱいありましたが、慣れた職場で周りのスタッフの方々に助けてもらいながら日々一生懸命働いています。助手業務の経験も今ではとても役に立っていると思います。職場は子育てと仕事を両立している方が多く、私も同じ境遇なので仕事や子育ての悩みや相談がしやすい環境です。
私は長く勤めた前職場から転職してきました。慣れるのに少し時間がかかりましたが、ワークライフバランスが取れてストレスなく仕事できています。患者様とは一から関係を作らなければならず、コミュニケーションが困難な患者様への対応に困ったことがありました。右片麻痺で失語がありますが、文字盤でのやりとりは可能な患者様です。しかし表情や手振りで訴えられることが多く、付き合いが浅い私には思いが読み取れず、柵を叩いたり睨んだり手で振り払われる事が続きました。それでも吸痰や軟膏塗布、眼清拭など行っていました。
ある日、手振りで何か訴えられていることが読み取れずにいるとまた手て振り払われました。他のスタッフに代わりやりとりを見届けようと後ろにいたところ、私を指差し文字盤を出すよう手振りがありました。文字盤を準備したところ、「さっきはごめんなさい」と指差されました。彼も辛かったのだと分かり、関係を作ることを諦めずにいてよかったと思えました。長く看護師をしていてもこんな風に心温まる一瞬があり、励みになります。ここの病院で頑張ろうと思えたひと時でした。